『一度きりの人生』と言われても〜時間軸の捉え方を変えたらスッキリした話〜
「一度きりの人生だから、○○しなきゃ勿体ないよ!」
チャレンジをしようか迷っているときに、こうした言葉を聞くことはよくあるかと思います。
僕自身はなぜか、こういう言葉を聞いても実感が乏しいタイプです。
ところが先日、捉え方を変えてみたらストンと胸に落ちました。
今回はそんな話です。
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迷っている人の背中を押すとき、そして何より迷っている自分を奮い立たせるときに、
人生の有限性を訴えかけることはよくあることかと思います。
例えば、「一度きりの人生なんだから」という表現はよく聞くし、
あのスティーブ・ジョブズ氏の有名な言葉にも、
「もし今日が自分の人生最後の日だとしたら、今日やる予定を私は本当にやりたいだろうか?」
とあります。
いずれも、”人生・時間が限られていること”を強調することで、人を奮い立たせる表現だと捉えることができるでしょう。
ただ、自分自身でも不思議なことに、僕はこうした言葉に今一つ実感が持てずにいました。
”人生”という大きな枠で訴えかけられても、漠然としていてなんだか掴み所がなかった。
とはいえ、「今日が人生最後の日だとしたら」と言われても、唐突すぎてなんとなく非現実的だった。
元来想像力が豊かな方ではないので”人生”というロングスパンも、”今日が人生最後の日”という仮定も、イメージがつきづらかったのです。
でも、先日キャリアについて考えている時に、捉え方を変えれば僕でも実感が得られることに気づきました。
それは、「一年後に自分が死ぬとしたら、どう生きたいか?」という問いかけでした。
僕にとっては、切迫感を持って人生の有限性を捉えようとした時に、「一年後の死」という想定が丁度良いということが分かりました。
最初は「5年後に死ぬとしたら」と考えてみましたが、切迫感は今一つ足りませんでした。
おそらく、人によって時間軸の捉え方が違うのでしょう。
たぶん僕は近視眼的な時間軸の捉え方をしているがゆえに、”人生”という単位はロングスパンすぎた。
一方で、僕の性格が楽観的であるがゆえに、”今日が人生最後の日”という考え方は現実味がないように感じられてしまった。
これまで「一度きりの人生、自分は何がしたいか?」と考えてもなかなかイメージの湧かなかった僕が、
「一年後に死ぬとしたら、自分は何がしたいか?」と考えることで、ようやく具体的なイメージを持つことができました。
物事を考えるときにはきっと、その人に合った時間軸というものがあるのでしょう。
自分に合った時間軸で捉えると、きっと物事はより見通しやすくなる。
そんな話でした。
最後に、(話は逸れますが)林修氏は著書「いつやるか?今でしょ!」で、物事を逆算して考えることについて、次のように言っています。
”①どれだけ先の自分が見えるかは、その人の環境によって異なる。
②どれだけ先の自分から逆算すべきかは、その人の意志の強さに比例する。”
(林修(2014)『いつやるか?今でしょ!』宝島社 p. 113)
僕が初めてこの言葉に触れた時は、②ばかりが印象に残ったものです。そして、遠い未来から逆算して人生設計ができるような意志の強さが欲しいと思いました(今回の記事に絡めれば、5年とか、10年先まで想像力を働かせることができるようになりたいと思ったりしました)。
ただ、ブログを書くにあたって今一度読み返してみたら、この本には「未来から逆算すること」等についてもっと広範な話が書かれていて、改めて興味深く読んでしまいました。興味があればご一読ください。
それでは、今回はこんなところで。